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変形性膝関節症と関節炎の関連性

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

私たちは普段、「腕を上げる」「物を持つ」「歩く」「階段を昇降する」等々、何気なく自由に動いています。その裏には、関節という機能がしっかり支えてくれているからです。
それ故、関節の疾病を発症すると、途端に日常生活が不自由になってしまいます。
そして私は関節の疾病を発症した時、ある言葉に疑問を感じたことがあります。

…「関節症」「関節炎」…
聞いた雰囲気はほとんど同じで…両方とも関節の疾病です。「関節症」「関節炎」…何を基準に区分けされているのでしょうか。

関節症の場合、関節が何らかの病的状態にあり、痛み・炎症等々が様々な症状を示します。つまり、関節全体に障害があるという意味で「関節症」という言葉が使われています。
(関節症は広い意味での障害を含むので、関節炎と比べると漠然とした表現方法になります。)
一方、関節炎はどのような定義があるのでしょうか。

[・膝が腫れる(関節水症) ・膝が熱を持つ(熱感) ・膝が赤くなる(発赤) ・何もしていないのに膝が痛む(自発痛) ・膝を動かすと痛む(可動時痛)…]

上記に明記したように、ある痛みが強く表れている症状を「関節炎」と呼んでいるのです。
ではここで、関節炎の原因を探ってみます。

[・関節が細菌・ウイルスに感染した場合 ・関節に結核が起きた時 ・関節内に結晶ができた時(=痛風・偽痛風など) ・慢性関節リウマチ…]

また関節炎の場合、加齢によって関節軟骨の表面に変化が発症することで、関節部分に悪影響を及ぼします(=関節症も同様です)。
ちなみに変形性膝関節症…以前の病名は、変形性膝関節炎と呼ばれていました。
確かに変形性膝関節症は症状の進行過程で、関節軟骨の傷口が滑膜を刺激して炎症を引き起こします。つまり関節内で炎症反応が起こることから、変形性膝関節炎と呼ばれていたのです。
しかし変形性膝関節症は、「関節水症・熱感・発赤・自発痛・可動時痛」といった関節炎の症状と比較すると炎症が軽度なため(主症状ではない)、現在では関節炎と区別するために変形性膝関節症と呼ばれているのです。
「関節症」と「関節炎」…どちらも良く似た症状です。そして酷くなると、どちらも日常性を脅かすほどの疾病を引き起こします。そうならないためにも、しっかり関節を予防ケアする必要があるのです。

変形性膝関節症の初期症状

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

変形性膝関節症の病期で一番のキーポイントになるのは、初期症状です。初期症状を見抜き、きちんと治療さえすれば…必ず変形性膝関節症は、完治することができます。
ここでは初期症状の具体的症例を元に、初期症状を見抜く力を持って頂けたらと思います。

変形性膝関節症の初期症状で見られる兆候は、膝を動かし始めるときに痛みを感じることです。そしてアイシング・湿布などをすることで、痛みは次第に治まってしまいます。
確かに、この時点(前期症状)で「この痛みは変形性膝関節症だ!」と見抜くことは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、変形性膝関節症の初期症状で次の痛みを発症した場合…その痛みこそが、キーポイント(別れ目)になります。
それは、「膝に水が溜まる」症状です。
特に初期症状で、痛みが一旦引いてから起こる「膝に水が溜まる」症状は頻度が高く、かなり強い痛みを発症します。
一体、どのような理由で膝に水が溜まってしまうのでしょうか。

膝関節には、関節包という組織があります。そして関節包の中に関節液が入っています。通常、関節液は滑膜で分泌・吸収されます。関節液が膝関節内で一定に保たれることによって、痛みを発症することなく膝を自由に動かすことができるのです。
変形性膝関節症の初期症状として、関節軟骨に小さな傷が付く・少しずつ擦り減る等々があります。すると、その微妙な傷口が滑膜を刺激します(=炎症を引き起こす)。
そして、膝関節内でバランスが取れていた関節液の分泌が促されます。
当然、余分な関節液が分泌されるわけですから…膝関節内に関節液が溜まります(バランスが崩れる)。これが「膝に水が溜まる」メカニズムなのです(=関節水症)。
このように関節水症は、変形性膝関節症の初期症状で発症する頻度が高いのです(=関節軟骨が擦り始めた頃)。
そしてその痛みは…膝が異様に重く(けだるく)感じる・鈍い(強い)痛みを感じます。
(変形性膝関節症の初期症状で)「少し膝の痛みが続いている。」と感じたならば、膝の表情をチェックしてください。
膝が本来持っている表面のツヤが失われ、くすんだ褐色を帯びるようになります。その色こそ、関節軟骨が擦り減りつつある状態なのです。
変形性膝関節症の初期症状を見抜くキーポイント…おわかりいただけたと思います。

変形性膝関節症で発症する痛みの数々

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今まで、変形性膝関節症に関する様々な様相を述べてきました。
ここでは発症する痛みの数々、及び、痛みから生じる生活面・精神面の変化について考えてみたいと思います。

変形性膝関節症の初期症状の痛みは、膝に体重を掛けた直後に起こります。この時期、すぐに整体院・カイロプラクティック・整骨院/整復院・鍼灸院で診察を受ければ、軽度の変形性膝関節症とわかり、完治することができます。
しかし初期症状の痛みの厄介なところは、安静にさえしていれば徐々に痛みが引いてしまうことにあります。つまり必ず痛みがあるわけでないため、「時期に治るだろう。」と…深刻に考えることもなく、自然に忘れてしまうのです(老化現象・単なる蓄積疲労と思ってしまう)。
そして気が付けば、普通に歩くだけでも痛みを生じるようになっているのです(変形性膝関節症の進行期・末期症状)。

例えば、階段を昇降する時、手すりに捕まらなければならない・歩く時に杖を持たなければならない等々…変形性膝関節症の進行期・末期症状になると、激しい痛みというより鈍痛がいつまでも続くようになります(=日常生活に支障を感じるようになる)。
また変形性膝関節症の進行期・末期症状で見られる症状として、膝の変形があります(初期症状で、見ることはありません)。

特に膝から下肢全体に、その変形を取って見ることができます(はっきりとわかるO脚変形)。さらに、骨の一部が骨端部付近で棘状に突出した骨棘(こつきょく)や骨堤の変形が、肉眼でもはっきり捉えることができる場合もあります。
さらに変形性膝関節症を発症すると、その痛みによって生活環境を一変させられてしまう場合もあります。
いつまでも痛みが治まらない→膝を動かさなくなる(=身体全体)→日々の買い物やスポーツ等々、日常生活全般に支障をきたすようになります。
そして生活環境ばかりでなく、精神的不安定さを発症させてしまう場合もあります。
とにかく鈍痛が続く→家に閉じこもり気味になる→気持ちも落ち込み、鬱症状的な精神状態になることもあります。
確かに変形性膝関節症を治療する場合、日常生活の行動を制限せざるを得ない時もあります(症状が重ければ重いほど…)。しかし適切な治療を受ければ、必ず日常生活の行動に不便さを感じることは無くなります。
変形性膝関節症を発症してしまった場合…落ち込むのではなく、長いスパンで治療に接する→病気と上手に付き合うことが、治癒へ向かわせるのです。

変形性膝関節症の進行具合

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「変形性膝関節症の症状・診断・検査」では大まかに病期を3段階に分類し、その症状を明記しました。ここではその病期について、より詳細に触れてみます。

変形性膝関節症の病名に、「変形性」という言葉が入っています。これは膝関節・それに付随する骨が、次第に変形していくことから名付けられましたものです(変形→症状悪化)。
もともと関節軟骨は、弾力性・柔軟性・外部圧力を吸収/分散する能力に優れています。しかし大きな外部圧力が何度となく繰り返されることによって、関節軟骨の表面に小さな傷(劣化現象)がつきます(=軟骨変性)。当然、軟骨変性が進行すれば、次第に弾力性・柔軟性が失われてきます。
この時期を「変形性膝関節症の前期」といいます。
また前期の変形性膝関節症をX腺写真で撮影しても、何も変化らしい変化を見ることはできません。

そして表面に傷がついた関節軟骨に、更に外部圧力が加われば…関節軟骨内を網状に取り囲んでいるコラーゲン線維・プロテオグリカンが失われて…少しずつですが、関節軟骨自体が擦り減ってきます。
この時期を「変形性膝関節症の初期症状」といいます。
軟骨変性→関節軟骨の擦り減り→関節軟骨の弾力性・柔軟性が失われていくと、ある1ヵ所に負荷が集中します(=軟骨下骨)。そして、軟骨下骨は厚く/硬くなっていきます(=骨硬化)。
このような状態(骨硬化)になると、X腺写真でも白い状態になっていることがわかります。
初期症状で、膝関節に痛みを感じ…しかし、放っておくと…関節軟骨の裂隙はますます狭くなります(「変形性膝関節症の進行症状」)。
こうなると、骨の変形も進行しています。実際、X腺写真を撮ってみると、はっきりと変形性膝関節症の様相を見せるようになります。
先ほど「骨の変形」と言いましたが…特に膝の場合、個人の癖がでます。つまり偏った負荷が掛かることで、骨や関節が変形してしまうのです。
(例えば膝の場合、負荷が膝の内側に集中する傾向があるため、内側の関節軟骨だけが擦り減ってしまいます。)
[…一度変形してしまった関節軟骨を、元に戻すことはできないのです。]

そして…関節軟骨は完全に擦り減ってしまい、軟骨下骨が露出した格好になります。
この時期を「変形性膝関節症の末期症状」といいます。
露出した軟骨下骨はさらに硬くなり…表面は摩擦で磨いたようになります(=象牙質化)。
この状態でX腺写真を撮ると、膝関節の形状がまったく違った形状に見えます。もちろん、膝の痛さも尋常ではありません。少しでも膝を動かそうものなら、激痛に襲われます。
こうして変形性膝関節症を、「初期~末期症状」まで詳しく触れてみました。
私たち日本人は、得てして痛みを我慢する人種です(決して美徳ではありません)。痛みを我慢し続けた結果が、「動かすこともままならぬ膝」になってしまうことを、しっかり脳裏に焼き付けておくべきです。

変形性膝関節症の症状・診断・検査

変形性膝関節症を理解しよう No Comments

多くの日本人の脚の特徴として、膝関節が内側に変形している傾向にあります(=O脚)。そうした変形によって、膝に痛みをともなう症状を変形性膝関節症といいます。
では日本人に多く見られる変形性膝関節症は、どのような症状を引き起こすのでしょうか。ここでは、病期を分けて明記してみます。

○初期症状…
歩き始めた瞬間・立ち上がりかけた瞬間など、動作を開始したときにチクッとした痛みを発症します。

○進行症状…
病期が進行するに従って、動作中に痛みを発症するようになります(階段の昇降はもとより、歩く・正座やあぐらをかくだけでも痛みを発症することに…)。


○末期症状…
末期症状になると、変形性膝関節症による合併症を引き起こします。膝関節の内側には、薄い膜が張られています(=滑膜(かつまく))。この滑膜に炎症が起こり(滑膜炎)、膝関節に水が溜まってしまうのです(=関節水腫)。関節水腫を発症すると膝が腫れて、膝内部からの圧迫感を受け痛みをともないます。同時に関節水腫の影響によって、関節軟骨や半月板の変形・摩擦が酷くなり、少し膝関節を動かすだけでも激しい痛みを発症するようになります。
このように変形性膝関節症はちょっとした痛みを我慢し続けることによって、歩行困難になるほどの重篤な症状を発症する可能性もあるのです。
そのような後期症状にならないためにも、変形性膝関節症による早めの診断・検査が必要になってきます。
変形性膝関節症を診断・検査する場合、X腺写真が判断材料として使用されます。何故なら、膝関節は非常に皮膚から近いこともあり、痛みを発症している部分・変形している部分がX腺写真でよくわかるからです。
実際、X腺写真を使用することで、「関節軟骨がどの程度、擦り減っているのか」「関節の隙間が、どれくらい狭まっているのか」「膝関節部分の骨の損傷程度」等々、膝関節内部の様々な症状を把握することができます。
しかし、X腺写真ですべての症状がわかるわけではありません。例えば変形性膝関節症の圧迫による痛みの場合、視診・触診をすることで「両脚の長さの違い・膝関節を動かしたときの痛み・膝の可動域」等々をチェックすることで、診断を下します。
さらに変形性膝関節症を詳しく診断・検査する場合、CT・MRI検査を行います。
どんな病気にも言えることです…「早期発見・早期治療」こそが、病気を治す秘訣です。

変形性膝関節症を発症する原因(悪化要因を考える)

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変形性膝関節症は膝関節に掛かる負荷で、関節軟骨が破壊されることで発症する症状です。しかし、「何故、関節軟骨が破壊されてしまうのか?」という原因は、未だ明確にわかっていません。
もちろん長年に及ぶ疲労蓄積など、徐々に関節軟骨の疲労が進行することで破壊されることは推測できます。
そうした変形性膝関節症を発症する原因を考えた時、ある要因を2つに分類することができます。

~一次性変形性膝関節症・二次性変形性膝関節症~

●一次性変形性膝関節症の原因…
(まったく外傷も見られず、明確な原因もわからないまま膝に痛みを発症する)

一次性変形性膝関節症の原因として、主に4つの要因が考えられます。

(1)老化現象…高齢者の患者様が多いことから、老化現象に関連性があるといわれています。確かに加齢とともに、関節軟骨の新陳代謝は衰えてきます(摩擦→擦り減る)。しかし関節軟骨の損傷を調べてみると、「どうもそうではない」という説も…(何故なら、関節軟骨の損傷は老化ではなく、金属疲労のようなものだから)。いずれにしても適切な膝の使い方をすることが、膝の障害を防ぐことができます。

(2)肥満…歩行時、膝には「体重の3倍」の負荷が掛かっているといわれています。つまり体重が1kg増量→膝に3kgの負荷がかかることに…それが肥満=変形性膝関節症に関連性があるいわれる要因です。

(3)O脚・X脚…O脚・X脚になると、膝に均等な負荷が掛からなくなります。外側だけに(内側だけに)負荷が掛かる→関節軟骨がすり減る=実際、O脚・X脚の人に変形性膝関節症を発症している方が、多く見受けられます。

(4)筋力低下…加齢によって、下半身の筋力(脚腰)も確実に衰えてきます。特に太腿の筋肉は、膝の動きをコントロールします。つまり太腿の筋肉が弱くなると、膝関節への負荷が大きくなります(関節軟骨の劣化→変形性膝関節症)。

●二次性変形性膝関節症の原因…
(スポーツ・事故などで膝を怪我したことで、変形性膝関節症を発症する)

二次性変形性膝関節症の場合、様々な怪我の要因が考えられます。

(1)半月板損傷…膝関節のクッションの役割を果たしている半月板が損傷した場合、手術をしても完全に回復することはありません。そのため関節軟骨への負荷が大きくなり、変形性膝関節症を発症する可能性も…

(2)関節軟骨損傷/関節ねずみ…過度の外力が加わることで、関節軟骨(骨の一部)が剥がれることもあります。この症状を関節軟骨損傷といいます。そして剥がれた傷が、関節内で動きまわる症状を関節ねずみといいます(この症状が悪化することで、変形性膝関節症を発症する可能性が…)

(3)膝蓋骨脱臼…スポーツをしていて、不意に膝のお皿が外れてしまう症状を膝蓋骨脱臼といいます。膝蓋骨脱臼を完治させていなければ、膝関節のバランスが取れなくなり、変形性膝関節症を引き起こす場合があります。

このように変形性膝関節症は、様々な要因が絡み合って発症する病状なのです。

変形性膝関節症と軟骨の関連性

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高齢になると、大半の人が変形性膝関節症を患っているといわれています。そして、変形性膝関節症と最も重要な関連性を持っている組織が関節軟骨です。
関節軟骨の特性は、「柔軟性+弾力性+滑らかさ」を持っていることです。そうした特性がある故、膝関節のスムーズな動きを支えることができるのです。
しかし老化現象や過激な運動を続ければ、誰でも否応なしに関節軟骨の消耗が進みます。そして関節軟骨の消耗が酷くなると、骨と骨が直接擦れてしまい、歩くだけでも強い痛みを感じることに…。
つまり変形性膝関節症は、関節軟骨がクッション変わりならなくなった時に発症する症状なのです。

また患者様の中には、変形性膝関節症を勘違いされている場合もあります。
「軟骨が突出したから、膝が痛みだし変形してしまった。」と…(関節軟骨が擦り減ることで、変形性膝関節症は発症します。関節軟骨が突出することはありません)。
「軟骨が擦り減ったので、鶏の軟骨・コラーゲンを摂取して軟骨を再生させる。」と…(サプリメントや薬を飲んでも、関節軟骨は再生しません)。
特に忘れてならないこと=軟骨は、修復することができません。
例えば関節軟骨に血管が通っていれば、血液中から栄養分を取り込むことで修復は可能です。しかし、関節軟骨に血管は通っていません。
軽度の摩耗であれば、完全修復することもできると思います。しかし重篤な場合であれば、十分に修復することはできません。
上記のことを含め、私たちは関節軟骨の構造・役割を正しく理解しなければなりません。そうすることで、変形性膝関節症とも正しく向き合うことができるからです。

○軟骨には、3つの種類から成り立っている…
軟骨には、関節軟骨を組織する硝子様軟骨(しょうしようなんこつ)・半月板などを組織する線維性軟骨・耳などを組織する弾性軟骨があります。
最も強固な軟骨=硝子様軟骨・最も弾力性のある軟骨=弾性軟骨・線維成分が重なってできた軟骨=線維性軟骨…
もし関節軟骨が擦り減ってしまった場合、線維性軟骨で修復することができます(ただし、強度は硝子様軟骨より弱くなります)。

○関節軟骨の仕組み…
関節軟骨は、硝子様軟骨からできています(半月板より少し硬く、表面が滑らかな軟骨)。
また関節軟骨の骨組みは、コラーゲン線維とプロテオグリカンが絡み合いながら軟骨細胞を取り囲んでいます。
(プロテオグリカン=水分と結合しやすい性質があり、関節液に含まれる水分・栄養分を軟骨に供給します。)
このような仕組みからわかるように、関節軟骨=吸水性に富んだスポンジだといえます。膝関節には、絶えず様々な圧力が加わっています。その圧力を和らげることができるからこそ、歩行運動・膝の屈伸・階段の昇降などがスムーズにできるのです。

変形性膝関節症とは

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膝は人間の身体の構造を考えた時、常に強い負荷を掛けられた状態にあります。それ故、膝は骨・靭帯等々といった様々な部位で構成されています。
そして強い負荷を掛けられる膝は、様々な病気を発症します。その中で特に、発症が増えている病気があります。それが変形性膝関節症です。
あまり馴染みのない病名=変形性膝関節症は、どのような病気なのでしょうか。
膝の関節は、膝の上にある大腿骨と膝の下にある脛骨(けいこつ)の接する部分をいいます。
そして大腿骨の前面には、膝蓋骨(しつがいこつ=別名:膝のお皿)あり、脛骨の外側には腓骨(ひこつ)があります。
[腓骨=脛骨と対になって存在する下腿の骨をいいます。]

大腿骨と脛骨は、お互いに硬い骨です。この骨が直接ぶつかってしまえば…もちろん、人間の身体を支えることは出来なくなります。
そうならないために、大腿骨と脛骨の間は関節軟骨に覆われているのです。
[関節軟骨=身体を自由自在に屈伸できるように、骨と骨を覆っている滑らかで弾力のある組織。]

変形性膝関節症とは、この関節軟骨が擦り減ってしまい痛みを発症する病気なのです。
ここで、私たちの身体を支えてくれる関節軟骨について、詳しく触れてみたいと思います。
確かに関節軟骨は人間の基幹部分になっていますが、関節軟骨を支えるべく組織があるからこそスムーズに動いているのです。
例えば関節包(かんせつほう)…関節包は、大腿骨と脛骨の断端を包み込んでいる袋です。そして関節包の内側には、滑膜から分泌されている関節液で、いつも満たされています。
実はこの関節液、容量わずか数ccしかないのですが、関節の動きを補助する潤滑油の役目を担っています。
[しかも、関節軟骨に栄養分を与える役割もあります。]

更に、関節包にはある軟骨も付着しています。それは半月板です。
よくスポーツ選手の事故で、「半月板損傷」という言葉を聞くと思います。この半月板も関節軟骨と同じように、膝に掛かる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしているます。
そして最後にもう1つ、膝を支える大きな役割を担った組織があります。
それが、大腿骨と脛骨をしっかり繋ぎとめている靭帯群です(=膝の動きを制御している)。靭帯は、いうなれば強靭な繊維の束から構成されています。
[靭帯=前十字靭帯・後十字靭帯・関節包の外側にある外側側副靭帯/内側側副靭帯]
もしこの靭帯が事故によって切断されてしまうと、膝がグラグラ不安定な状態になってしまいます。
このように身体を一身に支える膝は、関節軟骨・関節包・関節液・半月板・靭帯がお互いに支え合うことで、私たちの膝を守ってくれているのです。
そして、これらのいずれかが支障をきたしてしまうと、膝に強い痛みを感じるのです(=変形性膝関節症)。

膝の痛みの状態を知る

膝の痛みについて考える No Comments

前項で、「膝の痛みの種類について」触れました。では実際に、「膝の痛みの状態について」具体的に考えてみたいと思います。

・歩くと痛む/走ると痛む…
もちろん歩くより走る方が、膝に負担が掛かります。それも、走る時に受ける膝への衝撃は、歩くときの数倍あります。
つまり膝の痛み(症状)が軽度であれば→歩いても痛みはないが、走ると痛みを発症する…
そして、歩くだけで膝が痛むようであれば→膝の故障(症状)は重篤だといえます。

・階段の昇降/座る(屈曲)と膝が痛む…
歩いている時はまったく膝に痛みを感じないのに、階段の昇降時に膝の痛みを感じる人は大勢おられると思います。
確かに階段の昇降は日常的行動ではありますが、「走る」同様、想像以上に膝に負担を掛けています。
(階段の昇降時のみ発症する痛みは、変形性膝関節症の典型的な初発症状だと考えられます。)

・正座をすると膝が痛む…(できない)
日常的に正座をする人は、減少傾向にあります(ご年配の方が多い)。実は、正座ができなくなって初めて膝の違和感に気付き、治療院に診察を受けに来られる人もいます。
しかし「正座ができない」状況(状態)は、様々です。
膝を曲げるだけで痛む / 膝に体重を掛けると痛む /短時間は大丈夫だが、長時間正座すると膝が痛む等々…(膝の悪化が進行していると、曲げようと思っても曲げることができない場合もあります)
実は、膝に掛かる負担は正座中に起こるものではないのです。正座をするため膝を曲げる/正座から立ち上がる時に(膝を伸ばす)、過度の負担が膝に掛かるのです。
私たちは「歩く・走る・階段を昇降する・椅子に座る・正座する」等々、いろいろな状況で膝の痛みを発症します(ときには膝の痛みが、急に治まる場合も…)。
そして私たちは膝痛の特徴を、きちんと把握する必要があります(痛みの程度・場所)。
何故なら自分自身の膝が痛む特徴を把握していることで、整体院・カイロプラクティック・整復院/整骨院・鍼灸院で診察を受けた時、正確に膝痛の特徴を施術者に伝えることができるからです。もちろん、治療効果の状態をチェックする時にも効果を発揮します。
「膝の痛みの種類を知って、痛みの状態を知る」…確かに膝を治療するのは、施術者かもしれません。しかし痛んでいるのは、自分の膝なのです。治療院任せにするのではなく、常に自分の膝と向き合い、状態をチェックすることが必要です。

膝の痛みの種類について

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人間の身体には、それぞれ与えられた役割があります。そして二足歩行する私たちにとって、膝は最も重要な役割を果たしているといえます。
もし膝がクッションとしての役割を果たすことができなければ、全身にダメージを与え、筋肉自体が痛んでしまうことになります。
そして老若男女、様々な人が膝の痛みと葛藤しています。膝の痛みには、どのような症状があるのでしょうか。

・歩くだけで痛む
・走り出すと痛む
・階段の昇降ができない
・膝の屈伸ができない(正座ができない)
・安静にしていても、膝が痛む等々…

また、次のような膝の症状を感じる場合もあります。

・異様に膝がだるい(重い)
・膝を動かすと、ガクガクといった音がして頼りにならない(膝内部に不快感を持つ)
・膝が腫れている
・膝がずれているような感じがする等々…

このように、膝の痛みの症状は千差万別です。
しかし、そうした膝の痛みをよそに「暫くすれば、治るだろう。」「(年齢や)疲れが溜まっているからだろう。」と、自分自身の中で「膝の痛みは、病気ではない!」と思い込んでしまう人が大勢います。
みなさんは、変形性膝関節症という病名をご存知でしょうか。近年、急激に発症状況が増えている変形性膝関節症…実はこの病気、老化現象による膝の疲れとよく勘違いされているのです。
膝の痛みは、我慢しても絶対に良くなることはありません。何らかの原因があるからこそ、膝に痛みを発症するのです。
また私たちは長期間、膝の痛みや不快感が続くと、どうしても膝をかばってしまい…極力、膝を動かさないようにする傾向があります。
(特に膝の屈伸時に痛みがある場合に、そうした傾向が顕著に見られます。)
私たちは、重大な過ちを侵しています。何故なら、膝の関節は毎日適度に動かし続けなければ、膝の可動域が少なくなり…最悪、膝の屈伸ができなくなってしまう場合もあるからです。
例えば脚を骨折して、1ヵ月ギプスをしたとします。ギプスを外して、いざリハビリをしようとしても、膝が固まり動かすこともできなくなります(=同じような状況)。
しかも膝を極力動かさないようにすることによって、脚全体の筋力も弱くなってします。
(特に、膝を動かしている筋肉=太腿)
膝の痛みによって動かさなくなれば、無条件に膝の機能自体が衰えることになります。
「歩く・走る・立つ・座る・階段を昇降する」といった動作が難しくなる→つまり、私たちの日常生活に支障をきたすことになるのです。
膝の痛みが治まらないのであれば、早めに整体院・カイロプラクティック・整復/整骨院・鍼灸院などで受診することが重要だといえます。