TOP > 変形性膝関節症について > 変形性膝関節症はなぜ起こる?

変形性膝関節症はなぜ起こる?

変形性膝関節症を理解しよう No Comments

変形性膝関節症の原因について説明する前に、まずは変形性膝関節症には二通りあることを知っておきましょう
変形性膝関節症には、一次性変形性膝関節症二次性変形性膝関節症があります。

一次性変形性膝関節症の原因としては明確な原因は解明されていません。ですが、年齢や肥満等様々な要因が関係して発病するとも言われています。
ちなみに、変形性膝関節症の多くは一次性のものです。

二次性膝関節変形症は、原因疾患に続発して発症したものです。病気では関節リウマチや痛風等が挙げられ、外傷では関節内骨折や前十字靭帯・半月板の損傷にて続発することがあります。
他には、感染の後遺症や、下腿彎曲症等の先天的な解剖学的異常があると二次性膝関節変形症になり得ます。また、遺伝的背景も原因のひとつと現在考えられています。

病態生理としては、膝関節軟骨の摩耗・消失と骨棘形成を特徴とする進行性の関節疾患といえます。つまり、膝関節の軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかるようになる。
そして関節炎や変形が起きて、痛み、疼痛が出現するということです。
また、女性に多く加齢に伴い増加します。

一次性変形性膝関節症の原因でも前述しましたが、肥満は変形性膝関節症を罹患後においても増悪因子となります。
他に考えられている原因としてはO脚の人は罹患しやすいとも言われています。
これは、O脚では膝の内側に負担がかかりやすいためといえるでしょう。

 

 

 

 

 

変形性膝関節症と運動療法

変形性膝関節症の治療法について No Comments

変形性膝関節症の治療には、薬物療法、外科的治療、そして保存的治療として筋力訓練が有用とされています。
その中のひとつとして、今回は運動療法について紹介したいと思います。

運動療法を簡単に説明すると身体全体または一部を動かして症状の軽減を目指す療法です。
しかし、これはあくまでも保存的療法であり、変形性膝関節症の原因ともいえる膝の軟骨のすり減りをなくしたり、軟骨に厚みを与えたりして改善を目指すものではありません。膝の筋肉を鍛えることで、膝の安定性をよくすることで疼痛を緩和できます。

変形性膝関節症の治療方針では、関節周囲筋、大腿四頭筋の筋力訓練が基本となります。その有用性は十分に示されているので、変形性膝関節症に罹患した場合、必ず運動療法を行うといっても過言ではありません。

運動療法で効果が不十分な場合は、消炎鎮痛薬の投与やヒアルロン酸の関節内注射などが組み合わされることもあります。変形性膝関節症では、高齢者の患者の場合、進行すると歩行能力自体が低下し全身に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのような面では予防としての運動療法も重要なものといえるでしょう。
変形性膝関節症を罹患した方も、また罹患されていない方も、運動療法を行っていくことをお勧めします。

しかし、運動療法は無闇に行ったらいいというものではありません。変形性膝関節症での治療は関節の負担を軽くするための工夫も必要なのです。
例えば、長距離の歩行や階段昇降を避ける等のことがいえるでしょう。

関節の炎症を伴うと、疼痛が強くなり可動域制限を生じることもあります。そのため、運動の内容やその回数に関してはかかりつけ医や理学療法士にしっかりと相談することが大切です
膝は歩行に関して重要な機能をもっています。予防や治療を適切に行って、大切にしていきましょう。