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変形性膝関節症を発症する原因(悪化要因を考える)

変形性膝関節症は膝関節に掛かる負荷で、関節軟骨が破壊されることで発症する症状です。しかし、「何故、関節軟骨が破壊されてしまうのか?」という原因は、未だ明確にわかっていません。
もちろん長年に及ぶ疲労蓄積など、徐々に関節軟骨の疲労が進行することで破壊されることは推測できます。
そうした変形性膝関節症を発症する原因を考えた時、ある要因を2つに分類することができます。

~一次性変形性膝関節症・二次性変形性膝関節症~

●一次性変形性膝関節症の原因…
(まったく外傷も見られず、明確な原因もわからないまま膝に痛みを発症する)

一次性変形性膝関節症の原因として、主に4つの要因が考えられます。

(1)老化現象…高齢者の患者様が多いことから、老化現象に関連性があるといわれています。確かに加齢とともに、関節軟骨の新陳代謝は衰えてきます(摩擦→擦り減る)。しかし関節軟骨の損傷を調べてみると、「どうもそうではない」という説も…(何故なら、関節軟骨の損傷は老化ではなく、金属疲労のようなものだから)。いずれにしても適切な膝の使い方をすることが、膝の障害を防ぐことができます。

(2)肥満…歩行時、膝には「体重の3倍」の負荷が掛かっているといわれています。つまり体重が1kg増量→膝に3kgの負荷がかかることに…それが肥満=変形性膝関節症に関連性があるいわれる要因です。

(3)O脚・X脚…O脚・X脚になると、膝に均等な負荷が掛からなくなります。外側だけに(内側だけに)負荷が掛かる→関節軟骨がすり減る=実際、O脚・X脚の人に変形性膝関節症を発症している方が、多く見受けられます。

(4)筋力低下…加齢によって、下半身の筋力(脚腰)も確実に衰えてきます。特に太腿の筋肉は、膝の動きをコントロールします。つまり太腿の筋肉が弱くなると、膝関節への負荷が大きくなります(関節軟骨の劣化→変形性膝関節症)。

●二次性変形性膝関節症の原因…
(スポーツ・事故などで膝を怪我したことで、変形性膝関節症を発症する)

二次性変形性膝関節症の場合、様々な怪我の要因が考えられます。

(1)半月板損傷…膝関節のクッションの役割を果たしている半月板が損傷した場合、手術をしても完全に回復することはありません。そのため関節軟骨への負荷が大きくなり、変形性膝関節症を発症する可能性も…

(2)関節軟骨損傷/関節ねずみ…過度の外力が加わることで、関節軟骨(骨の一部)が剥がれることもあります。この症状を関節軟骨損傷といいます。そして剥がれた傷が、関節内で動きまわる症状を関節ねずみといいます(この症状が悪化することで、変形性膝関節症を発症する可能性が…)

(3)膝蓋骨脱臼…スポーツをしていて、不意に膝のお皿が外れてしまう症状を膝蓋骨脱臼といいます。膝蓋骨脱臼を完治させていなければ、膝関節のバランスが取れなくなり、変形性膝関節症を引き起こす場合があります。

このように変形性膝関節症は、様々な要因が絡み合って発症する病状なのです。