TOP > 変形性膝関節症について > 変形性膝関節症と関節炎の関連性

変形性膝関節症と関節炎の関連性

私たちは普段、「腕を上げる」「物を持つ」「歩く」「階段を昇降する」等々、何気なく自由に動いています。その裏には、関節という機能がしっかり支えてくれているからです。
それ故、関節の疾病を発症すると、途端に日常生活が不自由になってしまいます。
そして私は関節の疾病を発症した時、ある言葉に疑問を感じたことがあります。

…「関節症」「関節炎」…
聞いた雰囲気はほとんど同じで…両方とも関節の疾病です。「関節症」「関節炎」…何を基準に区分けされているのでしょうか。

関節症の場合、関節が何らかの病的状態にあり、痛み・炎症等々が様々な症状を示します。つまり、関節全体に障害があるという意味で「関節症」という言葉が使われています。
(関節症は広い意味での障害を含むので、関節炎と比べると漠然とした表現方法になります。)
一方、関節炎はどのような定義があるのでしょうか。

[・膝が腫れる(関節水症) ・膝が熱を持つ(熱感) ・膝が赤くなる(発赤) ・何もしていないのに膝が痛む(自発痛) ・膝を動かすと痛む(可動時痛)…]

上記に明記したように、ある痛みが強く表れている症状を「関節炎」と呼んでいるのです。
ではここで、関節炎の原因を探ってみます。

[・関節が細菌・ウイルスに感染した場合 ・関節に結核が起きた時 ・関節内に結晶ができた時(=痛風・偽痛風など) ・慢性関節リウマチ…]

また関節炎の場合、加齢によって関節軟骨の表面に変化が発症することで、関節部分に悪影響を及ぼします(=関節症も同様です)。
ちなみに変形性膝関節症…以前の病名は、変形性膝関節炎と呼ばれていました。
確かに変形性膝関節症は症状の進行過程で、関節軟骨の傷口が滑膜を刺激して炎症を引き起こします。つまり関節内で炎症反応が起こることから、変形性膝関節炎と呼ばれていたのです。
しかし変形性膝関節症は、「関節水症・熱感・発赤・自発痛・可動時痛」といった関節炎の症状と比較すると炎症が軽度なため(主症状ではない)、現在では関節炎と区別するために変形性膝関節症と呼ばれているのです。
「関節症」と「関節炎」…どちらも良く似た症状です。そして酷くなると、どちらも日常性を脅かすほどの疾病を引き起こします。そうならないためにも、しっかり関節を予防ケアする必要があるのです。