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靱帯損傷などから変形性膝関節症になりやすい

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靭帯の役割

靭帯とは骨と骨を結び離れないようにする役割を持った組織です。靭帯には伸縮性があまりありません。骨と骨をつなぎ、膝を安定させる以外にも動きを制御するといった働きもあります。膝の靭帯の場合は関節の前後に前十字靭帯・後十字靭帯、関節の内側・外側に内側側副靭帯・外側側副靭帯の計4本があります。

靭帯損傷したらどうなる

この関節の安定させるのに必要な靭帯ですが、靭帯損傷(=部分的または完全に靭帯が切れること)が起こると膝関節がグラついてしまいます。膝関節がグラつくと半月板や軟骨が摩耗し、変形性膝関節症の原因となります。

特にスポーツなどで受傷することが多い前十字靭帯損傷は靭帯が関節内にあるため放置しても治りません。靭帯が切れた時は専門家の診察を受け、適切な治療をうけましょう。自然治癒しない前十字靭帯損傷の場合は自分の切除しても大丈夫な腱を使って新たに靭帯を作ります。約7ヶ月ほどで完治し、スポーツなども行えるようになります。因みに靭帯が完全に切れてしまうことを靭帯断裂ということもあります。

靭帯断裂も靭帯損傷と同じように関節の安定に問題が出るのでしっかりと治療することが重要です。

外傷や感染の後遺症などでも変形性膝関節症は発症する

変形性膝関節症は関節軟骨の老化が主な原因ですが、他にも関与しているものがあります。先ほど上げた靭帯損傷などもそうです。他にも骨折や半月板の損傷などの外傷でも発症します。

また、関節内に細菌が入り、化膿してしまう病気である化膿性関節炎の後遺症など、感染の後遺症も変形性膝関節症の発症原因となりえます。早期発見し治療を行うために、異状を感じたら整形外科などを受診しましょう。

変形性膝関節症が改善する意義

変形性膝関節症を見つめ直して… No Comments

ここまで変形性膝関節症について、様々な事柄を明記してきました。それは変形性膝関節症で悩まれている方に、「改善の意義」を認識して頂きたいためです。
変形性膝関節症によって一度変形してしまった膝関節は、元通りに治ることはありません。
そのような状態を踏まえた上で、「改善の意義とは何を持って治癒したと思うべきか。」が非常に重要になってくるのです。
変形性膝関節症も含めすべての疾病に対して、治癒は4段階に分類することができます。

1.疾病になる前とまったく同じ状態…つまり、正常な状態に戻ることをいいます。
 (風邪や筋肉疲労といった一過性の疾病)
2.疾病になる前と近い状態…つまり、ほぼ正常な状態に戻ることをいいます。
 (すり傷・切り傷など、多少の傷が残る場合もあります)
3.疾病の原因・要因になっているものを取り除くことによって、痛みなどの症状を緩める・軽減することをいいます。
 (虫歯治療)
4.以前の状態のようにすべてを正常に戻すことができなくても、戻せるところは正常に戻し痛みなどの症状を和らげる=機能障害を取り除くことで治癒したと考える場合をいいます。

つまり、変形性膝関節症は4つめの症状に当てはめることができます。
歩くことが困難だった人が、歩けるようになる ・歩くたびに膝関節部分に痛みを感じた人が、痛みを感じなくなる等々…こうした治癒段階を「改善の意義」として、捉えて頂きたいのです(ごく普通の生活水準の暮らしができる喜び)。

・痛みを和らげる/痛みを取る。
・歩けるようになる(=以前よりも長い距離を歩けるようになる)。
・脚を曲げられるようになる(可動域が広がる)。
・脚を真っ直ぐに伸ばすことができるようになる。
・正座が組めるようになる。

どれもこれも、「改善の意義」の中では治癒になるのです(=進歩)。
仮に痛みが軽減したことを「改善」と見なさないとしたら(=まだまだ、もっとよくなるはずだと思いこむ)、焦りが生じ、精神的不安(ストレス)もより大きく感じるのではないでしょうか。痛みの軽減を「改善」と見なせば、精神的余裕も生まれ、疾病がもっとよくなる可能性も出てくるのです。
特に変形性膝関節症の場合、「改善の意義」を認識することで、日常生活における勇気・希望も湧いてくるのです。

変形性膝関節症と上手く付き合う

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私たちが変形性膝関節症になってしまった場合、「変形性膝関節症という疾病をよく知る。」ことが大切です。何故なら、「一生、膝関節に痛みを感じながら過ごしていかなければならい。」という悲壮感を、脱却しなければならないからです。
つまり、自分自身の膝関節と上手く付き合う方法さえわかれば、変形性膝関節症発症以前のように日常生活を過ごすことができるからです。
今までの項目で何度も明記しているように、変形性膝関節症による関節軟骨の傷・裂傷/軟骨下骨の変形・硬化は、元通りにすることはできません。
(例え関節軟骨に発症した目に見えないような傷であっても…)
しかし、膝関節が元の状態に戻ることができないと知って、ガッカリする必要はありません。
変形性膝関節症は完治できませんが、治癒することができるからです。つまり、膝関節に損傷がある状態でも、日常生活を不都合なく過ごすことができれば、「治った!」と考えればいいのです。
ただし日常生活=「自分のやりたいことを無制限にする」ということではありません。自分の膝の状態を客観的に捉えて、「できること/できないこと」を区別することが重要なのです。できること=可能な範囲で、日常生活に反映させていけばいいのです。
そして…変形性膝関節症と上手く付き合うためにも、2つのことを脳裏に焼き付けておく必要があります。
~「膝関節の痛みを治すのは自分自身」と「膝関節には十分な手入れが必要」~

○膝関節の痛みを治すのは自分自身…
変形性膝関節症に拘わらずすべての疾病にいえることですが、いくら熱心に治療院通院しても、それだけでは治らないということです。治癒するには、自分自身でできる運動療法を毎日継続的に実践することが必要だからです(=次第に効果が表れてきます)。また物理療法として、膝関節患部を温めることで痛みを抑え、炎症を鎮めることもできます。膝関節の痛みを治すのも、疾病に対する自分自身の取り組み方次第で決まります(痛みに乗じて何もしなければ、治癒するものもしなくなります)。

○膝関節には十分な手入れが必要…
変形性膝関節症と上手く付き合っていく方法として、膝関節への十分な手入れ(ケア)が必要になります。例えば家庭でできる手入れ(ケア)として、筋力トレーニングなどがあります(もちろん、負荷を掛け過ぎる必要はありません)。筋力負荷を掛けることで、膝関節に対する体重負担を調節できるようになります。そして手入れ(ケア)が生活習慣の一部になる頃には、毎日の膝関節の調子が自分自身で把握できるようになるはずです。膝関節の手入れ(ケア)こそ、自分自身の活動の場を広げる第一歩なのです。