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慢性関節リウマチ

変形性膝関節症は、膝関節の異常によって痛みを発症する疾病です。確かに変形性膝関節症も重篤な状態になれば、歩行困難など日常生活に支障をきたします。
しかし変形性膝関節症のように膝関節の痛みのみならず、全身の関節が痛む・変形する疾病があります。その疾病こそ、慢性関節リウマチなのです。

慢性関節リウマチの初期症状は変形性膝関節症と同じように、「関節にこわばり感があり、動かしにくい」「微熱・倦怠感が続く」状態から始まります。
しかし、膝関節から痛みを発症することはありません。初めに痛みを発症する部位として…手の指・手首・肘等々、上半身の比較的小さな関節から起こります。
慢性関節リウマチが進行すると、至る所に存在する全身の関節が痛みだし、関節が変形していきます(多発性の慢性関節炎・左右対称に発症します)。

また変形性膝関節症は、ご高齢の方に発症しやすい傾向にあります。慢性関節リウマチの場合、思春期~閉経前後まで、幅広い女性層に発症する傾向にあります。
そして変形性膝関節症の原因は、関節軟骨の擦り減りによるものとされていますが…実は慢性関節リウマチは、はっきりした原因がまだわかっていないのです。
(一種の自己免疫疾患・ストレス・女性ホルモン分泌の影響が関係していると考えられています。)

さらに慢性関節リウマチの病状進行は、人によって違います…(知らない間に軽減する人・進行も早く慢性化する人)…
もちろん慢性関節リウマチの進行を食い止めるには、早期発見・早期治療が重要です。
ここで慢性関節リウマチの診断基準チェックポイントを明記します。1つでも症状があれば、慢性関節リウマチの疑いがあります。

○朝起きた時、手足の関節が妙に動かしにくい。
○手の指・手首の関節が、腫れている。
○全身で3ヵ所以上、関節が腫れている
○左右対称に腫れている関節がある。
○膝・肘にコブ状の腫れものがある(熱を持っている)。
○血液検査でリウマトイド因子陽性という結果が出てしまった。
○レントゲン写真で、関節の変化(変形)が見られる。
(リウマトイド因子陽性…免疫グロブリン(タンパク質)に対する自己抗体…慢性関節リウマチの75~90%の患者様から検出されています)

慢性関節リウマチが末期症状になると→全身の関節が侵される(変形する)→まったく身動きできなくなる状態になる場合も…そのためには、関節の症状を見逃すことは元より、定期的に診察(診断)を受診することが大切です。
また慢性関節リウマチの症状として、「良くなる→悪くなる→(繰り返し)」…結果として、ゆっくりと悪化していくこともわかっています。それ故、患者様の精神的要因も大きく関わってきます。患者様を支えるという意味においても、ご家族の慢性関節リウマチに対する理解も重要視されます。