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変形性膝関節症とは

膝は人間の身体の構造を考えた時、常に強い負荷を掛けられた状態にあります。それ故、膝は骨・靭帯等々といった様々な部位で構成されています。
そして強い負荷を掛けられる膝は、様々な病気を発症します。その中で特に、発症が増えている病気があります。それが変形性膝関節症です。
あまり馴染みのない病名=変形性膝関節症は、どのような病気なのでしょうか。
膝の関節は、膝の上にある大腿骨と膝の下にある脛骨(けいこつ)の接する部分をいいます。
そして大腿骨の前面には、膝蓋骨(しつがいこつ=別名:膝のお皿)あり、脛骨の外側には腓骨(ひこつ)があります。
[腓骨=脛骨と対になって存在する下腿の骨をいいます。]

大腿骨と脛骨は、お互いに硬い骨です。この骨が直接ぶつかってしまえば…もちろん、人間の身体を支えることは出来なくなります。
そうならないために、大腿骨と脛骨の間は関節軟骨に覆われているのです。
[関節軟骨=身体を自由自在に屈伸できるように、骨と骨を覆っている滑らかで弾力のある組織。]

変形性膝関節症とは、この関節軟骨が擦り減ってしまい痛みを発症する病気なのです。
ここで、私たちの身体を支えてくれる関節軟骨について、詳しく触れてみたいと思います。
確かに関節軟骨は人間の基幹部分になっていますが、関節軟骨を支えるべく組織があるからこそスムーズに動いているのです。
例えば関節包(かんせつほう)…関節包は、大腿骨と脛骨の断端を包み込んでいる袋です。そして関節包の内側には、滑膜から分泌されている関節液で、いつも満たされています。
実はこの関節液、容量わずか数ccしかないのですが、関節の動きを補助する潤滑油の役目を担っています。
[しかも、関節軟骨に栄養分を与える役割もあります。]

更に、関節包にはある軟骨も付着しています。それは半月板です。
よくスポーツ選手の事故で、「半月板損傷」という言葉を聞くと思います。この半月板も関節軟骨と同じように、膝に掛かる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしているます。
そして最後にもう1つ、膝を支える大きな役割を担った組織があります。
それが、大腿骨と脛骨をしっかり繋ぎとめている靭帯群です(=膝の動きを制御している)。靭帯は、いうなれば強靭な繊維の束から構成されています。
[靭帯=前十字靭帯・後十字靭帯・関節包の外側にある外側側副靭帯/内側側副靭帯]
もしこの靭帯が事故によって切断されてしまうと、膝がグラグラ不安定な状態になってしまいます。
このように身体を一身に支える膝は、関節軟骨・関節包・関節液・半月板・靭帯がお互いに支え合うことで、私たちの膝を守ってくれているのです。
そして、これらのいずれかが支障をきたしてしまうと、膝に強い痛みを感じるのです(=変形性膝関節症)。