TOP > 変形性膝関節症について > 膝痛で膝に水がたまる仕組み

膝痛で膝に水がたまる仕組み

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて 膝痛で膝に水がたまる仕組み はコメントを受け付けていません

膝の痛みに関する病気について

膝の痛みを引き起こす病気の中には、「関節水腫」(かんせつすいしゅ)というものがあります。

関節水腫になってしまうと、膝の腫れや痛みによって、膝がだるく感じてしまうようになります。

また、膝の皿を手で押してみると、プヨプヨと浮いている感じがし、何か入っているような違和を感じるでしょう。また、突然膝に激痛が走るというのも特徴です。

膝に水がたまるとどうなるの?

膝関節に水がたまる事もあります。この水は、関節液と呼びます。膝が腫れて熱を持つ事もあります。

痛みをどのくらい強く感じるかというのは、人それぞれですが、階段を登ったり、膝をひねると、ものすごい痛みを感じる場合も少なくありません。

膝に水がたまったまま放置してしまうと、関節内の圧力が高まり、曲げ伸ばしがしづらくなり、生活にも支障をきたすようになってしまいます。

可動域制限が見られる事もあり、靭帯のちょっとした緩みでも、膝が不安定になり、ぐらぐらしやすくなります。

膝に水が溜まっているかどうか自分でチェックしよう!

自分で膝に水がたまっていないかどうか確かめる事もできます。自分の手で、膝の上をお皿の方に向かって押さえましょう。

そしてもう一方の手で、膝のお皿を上から軽く押します。もしも何か入っているような違和感があれば、関節液や血液が蓄積されてしまっている事が考えられます。

なぜ膝に水がたまるの?

それでは、膝に水がたまる仕組みはどうなっているのでしょうか?

関節内には、普通、関節液という液体があります。この液体は、無色透明で粘り気があるのが特徴です。これがあるから、膝関節もスムーズに動かせるようになっているのです。

この潤滑油のような役目をしている関節液というのは、関節に滑らかさを与え、弾力も与えてくれます。

関節液の量は、一定に保たれているのですが、色々な原因によって、組織に炎症が起こると、膜から関節液が過剰分泌されてしまう事になります。

このため、関節液が増えてしまい、膝の皿の上部に水がたまってしまう結果となるのです。

変形性膝関節症と関節液の関連性について

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

変形性膝関節症ばかりでなく、様々な膝の疾病に大きな関わりを持っている…それが「関節液」です。

一体この関節液は、膝関節に対してどのような役割を担っているのでしょうか。

○関節液とは…
関節液は、関節の動きを左右すべき関節軟骨の表面を覆っている潤滑油の役割を担っています(=透明で粘り気があり、サラサラしている)。

そして関節液はヒアルロン酸とタンパク質を含むことによって、関節軟骨をスムーズに動かすことができているのです。

ちなみに、関節軟骨には血液が流れていません(=そのため、関節軟骨自体が栄養分を取り込むことができません)。

つまり関節液は、そうした関節軟骨に栄養分を与える役割も担っているのです。

仮に関節液が減少した場合…関節軟骨の動きが悪くなる→膝の屈伸運動等々の時、痛みを発症…結果として関節軟骨がすり減り、変形性膝関節症などの疾病を発症してしまいます。
(※関節液が減少した場合、ヒアルロン酸を投与しますが…関節液本来が持っている滑らかさは、現代の先進医療においても作ることができません(=人工的))。

このように関節液は、関節軟骨をスムーズに動かすようにするばかりでなく、関節全体の潤滑油の役割を果たしているのです。

変形性膝関節症と関節炎の関連性

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

私たちは普段、「腕を上げる」「物を持つ」「歩く」「階段を昇降する」等々、何気なく自由に動いています。その裏には、関節という機能がしっかり支えてくれているからです。
それ故、関節の疾病を発症すると、途端に日常生活が不自由になってしまいます。
そして私は関節の疾病を発症した時、ある言葉に疑問を感じたことがあります。

…「関節症」「関節炎」…
聞いた雰囲気はほとんど同じで…両方とも関節の疾病です。「関節症」「関節炎」…何を基準に区分けされているのでしょうか。

関節症の場合、関節が何らかの病的状態にあり、痛み・炎症等々が様々な症状を示します。つまり、関節全体に障害があるという意味で「関節症」という言葉が使われています。
(関節症は広い意味での障害を含むので、関節炎と比べると漠然とした表現方法になります。)
一方、関節炎はどのような定義があるのでしょうか。

[・膝が腫れる(関節水症) ・膝が熱を持つ(熱感) ・膝が赤くなる(発赤) ・何もしていないのに膝が痛む(自発痛) ・膝を動かすと痛む(可動時痛)…]

上記に明記したように、ある痛みが強く表れている症状を「関節炎」と呼んでいるのです。
ではここで、関節炎の原因を探ってみます。

[・関節が細菌・ウイルスに感染した場合 ・関節に結核が起きた時 ・関節内に結晶ができた時(=痛風・偽痛風など) ・慢性関節リウマチ…]

また関節炎の場合、加齢によって関節軟骨の表面に変化が発症することで、関節部分に悪影響を及ぼします(=関節症も同様です)。
ちなみに変形性膝関節症…以前の病名は、変形性膝関節炎と呼ばれていました。
確かに変形性膝関節症は症状の進行過程で、関節軟骨の傷口が滑膜を刺激して炎症を引き起こします。つまり関節内で炎症反応が起こることから、変形性膝関節炎と呼ばれていたのです。
しかし変形性膝関節症は、「関節水症・熱感・発赤・自発痛・可動時痛」といった関節炎の症状と比較すると炎症が軽度なため(主症状ではない)、現在では関節炎と区別するために変形性膝関節症と呼ばれているのです。
「関節症」と「関節炎」…どちらも良く似た症状です。そして酷くなると、どちらも日常性を脅かすほどの疾病を引き起こします。そうならないためにも、しっかり関節を予防ケアする必要があるのです。

変形性膝関節症の初期症状

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

変形性膝関節症の病期で一番のキーポイントになるのは、初期症状です。初期症状を見抜き、きちんと治療さえすれば…必ず変形性膝関節症は、完治することができます。
ここでは初期症状の具体的症例を元に、初期症状を見抜く力を持って頂けたらと思います。

変形性膝関節症の初期症状で見られる兆候は、膝を動かし始めるときに痛みを感じることです。そしてアイシング・湿布などをすることで、痛みは次第に治まってしまいます。
確かに、この時点(前期症状)で「この痛みは変形性膝関節症だ!」と見抜くことは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、変形性膝関節症の初期症状で次の痛みを発症した場合…その痛みこそが、キーポイント(別れ目)になります。
それは、「膝に水が溜まる」症状です。
特に初期症状で、痛みが一旦引いてから起こる「膝に水が溜まる」症状は頻度が高く、かなり強い痛みを発症します。
一体、どのような理由で膝に水が溜まってしまうのでしょうか。

膝関節には、関節包という組織があります。そして関節包の中に関節液が入っています。通常、関節液は滑膜で分泌・吸収されます。関節液が膝関節内で一定に保たれることによって、痛みを発症することなく膝を自由に動かすことができるのです。
変形性膝関節症の初期症状として、関節軟骨に小さな傷が付く・少しずつ擦り減る等々があります。すると、その微妙な傷口が滑膜を刺激します(=炎症を引き起こす)。
そして、膝関節内でバランスが取れていた関節液の分泌が促されます。
当然、余分な関節液が分泌されるわけですから…膝関節内に関節液が溜まります(バランスが崩れる)。これが「膝に水が溜まる」メカニズムなのです(=関節水症)。
このように関節水症は、変形性膝関節症の初期症状で発症する頻度が高いのです(=関節軟骨が擦り始めた頃)。
そしてその痛みは…膝が異様に重く(けだるく)感じる・鈍い(強い)痛みを感じます。
(変形性膝関節症の初期症状で)「少し膝の痛みが続いている。」と感じたならば、膝の表情をチェックしてください。
膝が本来持っている表面のツヤが失われ、くすんだ褐色を帯びるようになります。その色こそ、関節軟骨が擦り減りつつある状態なのです。
変形性膝関節症の初期症状を見抜くキーポイント…おわかりいただけたと思います。

変形性膝関節症で発症する痛みの数々

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

今まで、変形性膝関節症に関する様々な様相を述べてきました。
ここでは発症する痛みの数々、及び、痛みから生じる生活面・精神面の変化について考えてみたいと思います。

変形性膝関節症の初期症状の痛みは、膝に体重を掛けた直後に起こります。この時期、すぐに整体院・カイロプラクティック・整骨院/整復院・鍼灸院で診察を受ければ、軽度の変形性膝関節症とわかり、完治することができます。
しかし初期症状の痛みの厄介なところは、安静にさえしていれば徐々に痛みが引いてしまうことにあります。つまり必ず痛みがあるわけでないため、「時期に治るだろう。」と…深刻に考えることもなく、自然に忘れてしまうのです(老化現象・単なる蓄積疲労と思ってしまう)。
そして気が付けば、普通に歩くだけでも痛みを生じるようになっているのです(変形性膝関節症の進行期・末期症状)。

例えば、階段を昇降する時、手すりに捕まらなければならない・歩く時に杖を持たなければならない等々…変形性膝関節症の進行期・末期症状になると、激しい痛みというより鈍痛がいつまでも続くようになります(=日常生活に支障を感じるようになる)。
また変形性膝関節症の進行期・末期症状で見られる症状として、膝の変形があります(初期症状で、見ることはありません)。

特に膝から下肢全体に、その変形を取って見ることができます(はっきりとわかるO脚変形)。さらに、骨の一部が骨端部付近で棘状に突出した骨棘(こつきょく)や骨堤の変形が、肉眼でもはっきり捉えることができる場合もあります。
さらに変形性膝関節症を発症すると、その痛みによって生活環境を一変させられてしまう場合もあります。
いつまでも痛みが治まらない→膝を動かさなくなる(=身体全体)→日々の買い物やスポーツ等々、日常生活全般に支障をきたすようになります。
そして生活環境ばかりでなく、精神的不安定さを発症させてしまう場合もあります。
とにかく鈍痛が続く→家に閉じこもり気味になる→気持ちも落ち込み、鬱症状的な精神状態になることもあります。
確かに変形性膝関節症を治療する場合、日常生活の行動を制限せざるを得ない時もあります(症状が重ければ重いほど…)。しかし適切な治療を受ければ、必ず日常生活の行動に不便さを感じることは無くなります。
変形性膝関節症を発症してしまった場合…落ち込むのではなく、長いスパンで治療に接する→病気と上手に付き合うことが、治癒へ向かわせるのです。

変形性膝関節症の進行具合

変形性膝関節症の進行に伴う痛みについて No Comments

「変形性膝関節症の症状・診断・検査」では大まかに病期を3段階に分類し、その症状を明記しました。ここではその病期について、より詳細に触れてみます。

変形性膝関節症の病名に、「変形性」という言葉が入っています。これは膝関節・それに付随する骨が、次第に変形していくことから名付けられましたものです(変形→症状悪化)。
もともと関節軟骨は、弾力性・柔軟性・外部圧力を吸収/分散する能力に優れています。しかし大きな外部圧力が何度となく繰り返されることによって、関節軟骨の表面に小さな傷(劣化現象)がつきます(=軟骨変性)。当然、軟骨変性が進行すれば、次第に弾力性・柔軟性が失われてきます。
この時期を「変形性膝関節症の前期」といいます。
また前期の変形性膝関節症をX腺写真で撮影しても、何も変化らしい変化を見ることはできません。

そして表面に傷がついた関節軟骨に、更に外部圧力が加われば…関節軟骨内を網状に取り囲んでいるコラーゲン線維・プロテオグリカンが失われて…少しずつですが、関節軟骨自体が擦り減ってきます。
この時期を「変形性膝関節症の初期症状」といいます。
軟骨変性→関節軟骨の擦り減り→関節軟骨の弾力性・柔軟性が失われていくと、ある1ヵ所に負荷が集中します(=軟骨下骨)。そして、軟骨下骨は厚く/硬くなっていきます(=骨硬化)。
このような状態(骨硬化)になると、X腺写真でも白い状態になっていることがわかります。
初期症状で、膝関節に痛みを感じ…しかし、放っておくと…関節軟骨の裂隙はますます狭くなります(「変形性膝関節症の進行症状」)。
こうなると、骨の変形も進行しています。実際、X腺写真を撮ってみると、はっきりと変形性膝関節症の様相を見せるようになります。
先ほど「骨の変形」と言いましたが…特に膝の場合、個人の癖がでます。つまり偏った負荷が掛かることで、骨や関節が変形してしまうのです。
(例えば膝の場合、負荷が膝の内側に集中する傾向があるため、内側の関節軟骨だけが擦り減ってしまいます。)
[…一度変形してしまった関節軟骨を、元に戻すことはできないのです。]

そして…関節軟骨は完全に擦り減ってしまい、軟骨下骨が露出した格好になります。
この時期を「変形性膝関節症の末期症状」といいます。
露出した軟骨下骨はさらに硬くなり…表面は摩擦で磨いたようになります(=象牙質化)。
この状態でX腺写真を撮ると、膝関節の形状がまったく違った形状に見えます。もちろん、膝の痛さも尋常ではありません。少しでも膝を動かそうものなら、激痛に襲われます。
こうして変形性膝関節症を、「初期~末期症状」まで詳しく触れてみました。
私たち日本人は、得てして痛みを我慢する人種です(決して美徳ではありません)。痛みを我慢し続けた結果が、「動かすこともままならぬ膝」になってしまうことを、しっかり脳裏に焼き付けておくべきです。