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変形性膝関節症の重症の度合い

変形性膝関節症を理解しよう 変形性膝関節症の重症の度合い はコメントを受け付けていません

症状の進行分類

変形性膝関節症の分類方法の一つに症状で分類する方法があります。初期、中期(進行期)、末期と主に三つに分類され、初期から末期にかけて症状が重くなります。

初期の症状は歩き始めた瞬間などの動作開始時に痛みが生じます。O脚の場合は膝関節内側に痛みが出ることが多く、歩き始めると痛みが緩和もしくは感じなくなります。歩き始めの他、椅子からの立ち上がり、階段の登り降りなどの動作でも疼痛を生じます。

中期(進行期)になると動作中でも痛みが生じます。歩くことが辛くなるため、歩行距離は次第に減少していきます。

末期になると、患部を動かしていなくても痛むようになります。変形がひどくなり、夜間痛を感じるようになります。また、半月板損傷の代表的な症状であるロッキング現象が現れる場合もあります。

画像診断による進行分類

症状で分類するほか、レントゲンなどの画像によって分類する方法もあります。一般的に診断基準として用いられるのはX線撮影によるKellgren-Lawrence分類です。Kellgren-Lawrence分類ではグレード0から4までの5つに分類され、グレード2以上が変形性膝関節症とされています。

グレード0:特に以上が見られず、正常な状態です。
グレード1:関節裂隙(=関節の隙間)狭小化の疑いがあり、軽度の骨棘(=骨の棘)が生じている状態です。
グレード2:はっきりとした骨棘が形成され、軽度の関節裂隙狭小化が現れている状態です。
グレード3:中程度かつ複数の骨棘が形成され、関節裂隙狭小化、軟骨の硬化が起こっている状態です。
グレード4:大きな骨棘が形成され、著しい関節裂隙狭小化・軟骨の硬化が起こっている状態となります。

靱帯損傷などから変形性膝関節症になりやすい

変形性膝関節症を見つめ直して… 靱帯損傷などから変形性膝関節症になりやすい はコメントを受け付けていません

靭帯の役割

靭帯とは骨と骨を結び離れないようにする役割を持った組織です。靭帯には伸縮性があまりありません。骨と骨をつなぎ、膝を安定させる以外にも動きを制御するといった働きもあります。膝の靭帯の場合は関節の前後に前十字靭帯・後十字靭帯、関節の内側・外側に内側側副靭帯・外側側副靭帯の計4本があります。

靭帯損傷したらどうなる

この関節の安定させるのに必要な靭帯ですが、靭帯損傷(=部分的または完全に靭帯が切れること)が起こると膝関節がグラついてしまいます。膝関節がグラつくと半月板や軟骨が摩耗し、変形性膝関節症の原因となります。

特にスポーツなどで受傷することが多い前十字靭帯損傷は靭帯が関節内にあるため放置しても治りません。靭帯が切れた時は専門家の診察を受け、適切な治療をうけましょう。自然治癒しない前十字靭帯損傷の場合は自分の切除しても大丈夫な腱を使って新たに靭帯を作ります。約7ヶ月ほどで完治し、スポーツなども行えるようになります。因みに靭帯が完全に切れてしまうことを靭帯断裂ということもあります。

靭帯断裂も靭帯損傷と同じように関節の安定に問題が出るのでしっかりと治療することが重要です。

外傷や感染の後遺症などでも変形性膝関節症は発症する

変形性膝関節症は関節軟骨の老化が主な原因ですが、他にも関与しているものがあります。先ほど上げた靭帯損傷などもそうです。他にも骨折や半月板の損傷などの外傷でも発症します。

また、関節内に細菌が入り、化膿してしまう病気である化膿性関節炎の後遺症など、感染の後遺症も変形性膝関節症の発症原因となりえます。早期発見し治療を行うために、異状を感じたら整形外科などを受診しましょう。