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膝の裏が痛い場合の症例とは

膝の裏が痛い症例には、①ベーカー囊腫(のうしゅ)、②反張膝(はんちょうひざ)、③腓腹筋(ひふくきん=ふくらはぎ)の機能低下、の3つがあげられます。各々の症状を解説します。

①ベーカー囊腫
膝の後ろにある摩擦を緩和するために複数の滑液包があります。その中の内側の膜に、老廃物を体内に排泄、栄養分を毛細血管から吸収する水分を分泌したり排出したりして、滑液包内の水分を調節しています。ところが滑液包内膜の炎症により、水分の調節がうまくいかなくなって、滑液包内の水が多量にたまった結果、滑液包が破裂し、その水が溢れ出てしまった状態です。膝の後がコブのように腫れて、この腫れが膝の曲げ伸ばしの時に違和感があります。放っておくと囊腫内の関節液が溢れだし、組織に炎症を起こすことによって、痛みや腫れを一層ひどくします。

②反張膝
膝の裏全体に痛みを感じる場合は「反張膝」の可能性が高いでしょう。反張膝の場合、膝をまっすぐにのばした時に、膝が反り返っているように、膝が前後逆に曲がっている感じです。時間が経つとともに症状は悪化しますので、早急な治療が必要です。反張膝の治療には、膝が反り返らないような強い筋力が必要です。早急な治療によって完治が可能な障害ですから、根気よく治療することが必要です。先天性の障害の場合もあります。

③腓腹筋の機能低下
膝の裏が痛い場合、脛の後ろにあるふくろはぎの外側の筋肉、「腓腹筋外側頭」の疲労による膝の曲げ伸ばしの筋力低下の可能性も考えられます。反対に、膝の曲げ伸ばしの機能低下によって、膝の前側の痛みが発生します。膝の前側が痛くなると、腓腹筋の負担が増加し、膝の裏側が痛くなることもあります。