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変形性膝関節症が改善する意義

ここまで変形性膝関節症について、様々な事柄を明記してきました。それは変形性膝関節症で悩まれている方に、「改善の意義」を認識して頂きたいためです。
変形性膝関節症によって一度変形してしまった膝関節は、元通りに治ることはありません。
そのような状態を踏まえた上で、「改善の意義とは何を持って治癒したと思うべきか。」が非常に重要になってくるのです。
変形性膝関節症も含めすべての疾病に対して、治癒は4段階に分類することができます。

1.疾病になる前とまったく同じ状態…つまり、正常な状態に戻ることをいいます。
 (風邪や筋肉疲労といった一過性の疾病)
2.疾病になる前と近い状態…つまり、ほぼ正常な状態に戻ることをいいます。
 (すり傷・切り傷など、多少の傷が残る場合もあります)
3.疾病の原因・要因になっているものを取り除くことによって、痛みなどの症状を緩める・軽減することをいいます。
 (虫歯治療)
4.以前の状態のようにすべてを正常に戻すことができなくても、戻せるところは正常に戻し痛みなどの症状を和らげる=機能障害を取り除くことで治癒したと考える場合をいいます。

つまり、変形性膝関節症は4つめの症状に当てはめることができます。
歩くことが困難だった人が、歩けるようになる ・歩くたびに膝関節部分に痛みを感じた人が、痛みを感じなくなる等々…こうした治癒段階を「改善の意義」として、捉えて頂きたいのです(ごく普通の生活水準の暮らしができる喜び)。

・痛みを和らげる/痛みを取る。
・歩けるようになる(=以前よりも長い距離を歩けるようになる)。
・脚を曲げられるようになる(可動域が広がる)。
・脚を真っ直ぐに伸ばすことができるようになる。
・正座が組めるようになる。

どれもこれも、「改善の意義」の中では治癒になるのです(=進歩)。
仮に痛みが軽減したことを「改善」と見なさないとしたら(=まだまだ、もっとよくなるはずだと思いこむ)、焦りが生じ、精神的不安(ストレス)もより大きく感じるのではないでしょうか。痛みの軽減を「改善」と見なせば、精神的余裕も生まれ、疾病がもっとよくなる可能性も出てくるのです。
特に変形性膝関節症の場合、「改善の意義」を認識することで、日常生活における勇気・希望も湧いてくるのです。