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変形性膝関節症治療と運動療法

変形性膝関節症を発症した人の最大の悩み…それは膝関節が痛むことによって、歩く・座る・走る・階段の昇降等々ができなくなることです(動かそうとしなくなる)。
もちろん治療によって、痛みを取り除くことは重要です。しかし問題は、その治療期間もある程度、膝関節を動かし続けることなのです。
決して、無理な目標を定める必要はありません(目標設定が高過ぎれば、逆に膝に負荷を掛け過ぎることになります)。
膝関節を動かす治療目標を設定することで、脚全体の筋肉を落とさないようにする→それが、変形性膝関節症の改善の一歩にもなります。
そして膝関節を動かすには、3つの運動療法が効果的です。
運動療法の目的は、痛みのあまり使わなくなった膝関節を、将来的にしっかり使えるようにするためです。

(1)太腿の筋力アップ…膝への負荷を軽減するには、体重を支えている大腿四頭筋を鍛えることが必要です。

(2)歩行練習…ウォーキングを毎日の習慣にします。もちろん激しい痛みを伴わない範囲で、膝をゆっくり使いながらウォーキングをします。

(3)ストレッチング…膝関節を動かさなければ、可動域も広くなりません。膝関節の可動域を広げるためにも、ストレッチング(柔軟体操)が必要です。
こうした運動療法は、激しいスポーツをするためのものではありません。普段の日常生活を行えるようにするための運動療法です。筋肉を使いながら、膝関節を含め脚全体のケア習慣を身に付けてください。

また運動療法を行うことによって、膝関節に関わる別の症状も改善します。
・脚全体の筋肉をつける→膝関節の痛みを軽減→関節軟骨の予防…また膝関節を適度に動かすことで、関節液(=骨と骨の潤滑油)の循環も良くなります。そして関節液が適度に分泌されることで、関節軟骨に十分栄養が行き渡る→ある程度、自分自身が持っている自然治癒力によって、変形性膝関節症も改善されるのです。
(もちろん、3つの運動療法によって血流も盛んになり、膝関節の痛みを和らげる効果もあります。)
このように運動療法は変形性膝関節症の痛みに拘わらず、様々な症状に効果をもたらせてくれます。
しかし、運動療法は「今日スタートして、明日に効果が出る」ものではありません。
とにかく、気長に運動療法を続けることが重要です(=効果が表れるのに最低でも2~3週間掛かります)。
気長に焦らず続けてください。必ず、痛みは改善へ向かいます。
「もうダメだ…」と思わず、諦めず運動療法を続けてください…「継続は力なり!」です…