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関節疲労によって発症する病気

私たちの体重を支えている膝関節には、想像以上の負荷が掛かっています。そして知らず知らずのうち、膝関節を酷使…関節疲労によって、様々な病気を発症する場合もあります。ここでは、関節疲労によって発症する病気について触れてみます。

○靭帯の損傷…
膝は4種類の靭帯によって、様々な動きをすることができます…膝の内側と外側にある内側側副靭帯/外側側副靭帯(左右の動きを安定させます)・大腿骨と脛骨をつなぐ前十字靭帯/後十字靭帯(前後の動きを安定させます)。靭帯損傷の場合、一部が損傷する軽度な症状から完全断裂する重度の症状まであります。そして、最も損傷を受けやすいのが内側側副靭帯/外側側副靭帯です。側副靭帯の場合、手術をすることなく完治します。しかし前十字靭帯/後十字靭帯の場合、手術をしなければ完治しません。特に前十字靭帯はしっかり治療しなければ、日常生活に支障をきたす場合もあります(歩行中、急に膝が崩れる等々…)。また靭帯損傷の誘因によって、変形性膝関節症を発症することもあります(=靭帯損傷によって、関節軟骨により負荷が掛かるため)。

○半月板損傷…
膝の損傷で、最も多い症状が半月板損傷です。半月板損傷は、関節疲労が蓄積している時に膝に大きな圧力が加わることで発症します。例えば急にジャンプする(着地する)・運動中、急にストップする(踏ん張る)・しゃがみながら、身体をひねる等々…。そして、その症状は急に膝の力が抜けて、膝から崩れ落ちたりします。半月板損傷の治療法は、半月板が損傷した部分を縫い合わせる・部分切除などが行われます。また半月板は関節軟骨とともに、私たちの体重を支えています(=負担)。半月板を損傷することで、変形性膝関節症を引き起こす可能性があります。

○関節軟骨損傷と関節ねずみ…
膝の一部分に繰り返し圧力が加わると、関節軟骨の一部が剥がれてしまい関節内を動き回ることがあります(=関節ねずみ・関節遊離体)。このように、関節軟骨が損傷する症状を関節軟骨損傷(=骨軟骨骨折)といいます。関節ねずみが発症すると膝が膨れあがり、膝に体重を掛けようとすると激痛をともないます。そして関節ねずみは膝関節内部を自由に動き回るため、激痛で膝を動かすことさえできなくなる場合もあります(もちろん、手術ですぐに切除しなければなりません)。また関節軟骨損傷をすることによって、関節軟骨損傷部分に再度傷が広がりやすくなります。そのため、変形性膝関節症を発症する可能性が高くなります。

このように蓄積した関節疲労によって、私たちの膝はちょっとした拍子に上記の症状を発症してしまいます。膝がだるく感じれば、マッサージなどでほぐす…スポーツをする時、入念にストレッチを行う…そうすることで、関節疲労によって発症する病気を抑えることができるのです。