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偽痛風

変形性膝関節症のように膝に痛みを発症するという点で、同じ症状を持っている偽痛風という疾病があります(しかし実際は、まったく異なる疾病です)。
変形性膝関節症は徐々に膝の痛みが悪化しますが、偽痛風は急に激しい痛みに襲われます。
偽痛風という病名は、痛風に発症の仕方が良く似ていることから名付けられました。
(急に痛みに襲われ、鎮痛解熱剤を服用すれば7~10日で症状は回復します。)
偽痛風は、一体どのような状態になると発症するのでしょうか。
偽痛風=別名:関節軟骨石灰化症/ピロリン酸カルシウム沈着症とも呼ばれています。変形性膝関節症と同じように、ご高齢の方に多く発症する傾向にあります。
また偽痛風が、変形性膝関節症や慢性関節リウマチと勘違いされる場合があります。その原因として、膝・足首・肩といった大きな関節に激しい痛みを発症するからです。
(実際、変形性膝関節症・慢性関節リウマチの処方薬:ステロイド剤を服用しても、痛みが治まることはありません。)

また偽痛風と診断を受けた人の特徴として、下記の疾病を患った経験のある人が多いと言われています。
[変形性膝関節症・痛風・高尿酸血症・糖尿病・高血圧]…つまり、このような疾病が誘因となって、偽痛風が発症することもあるのです。
次に、偽痛風の痛みの原因を探ってみます。痛みの原因=それは、ピロリン酸という物質がカルシウムと結合してできる結晶にあります。本来、ピロリン酸は身体が新陳代謝をする過程で作られます。そして、通常は肝臓で分解されます。しかし高齢になると、肝臓の機能が低下→ピロリン酸が分解しきれず血液中に残る→血液中のカルシウムと結合することで、結晶が作られます。そして、できた結晶が関節軟骨・半月板・滑膜に沈着することで、一過性の激しい関節炎症を引き起こしてしまうのです。

偽痛風のもっとも厄介な症状…それは、関節の変形する確立が非常に高いことにあります(変形性膝関節症・慢性完成リウマチより高い)。さらに、偽痛風を発症した膝をかばうあまり、もう片方の膝に負荷が掛かり…結果的に、両膝が偽痛風を発症する可能性もあるのです。
もちろん、偽痛風=防ぎようのない疾病というわけではありません。
病院で定期健診を受診する→早期発見が可能…そして初期症状であれば、投薬治療で完治させることもできます。
もし自分自身が偽痛風誘因のある疾病を持っているならば…少しでも不安をよぎったら…とにかく、早めの診察を受けるべきです。